リカバリー志向とピアサポートの協働体制
一般社団法人しんは、名古屋市西区を中心に精神障害や発達障害を抱える方の地域生活を応援する団体として、リカバリー志向の支援を展開しています。症状の軽減だけに焦点を当てるのではなく、ご本人が「どのような人生を送りたいか」という価値観に基づいた支援を提供します。精神保健福祉士、社会福祉士、臨床心理士、看護師、ピアスタッフなど多彩な専門職が在籍し、それぞれの専門性を活かしながらも職種の枠を越えた「超職種連携」によって、ご本人を中心としたチーム支援を実現しています。
同じような病いの体験を持つピアスタッフとの出会いは、共感や理解を通じて孤立感を軽減し、希望やモチベーションをもたらす大切な要素となります。専門職による支援では提供できない独自の価値を持つピアサポートの文化を積極的に育み、専門職との協働を通じて、ご利用者様が自らの人生の主人公として主体的に歩んでいけるよう応援しています。地域の中で希望と自信を持って生きていくための伴走者として、一人ひとりの個性や可能性を大切にした支援を行っています。
多様なサービスで実現する自立生活支援
当法人では、相談支援事業所、地域自立支援センター、地域活動支援センター、就労継続支援B型など、公的な障害福祉サービスを幅広く提供しています。日中の活動の場となる地域活動支援センター「じょうしん」、自立に向けた準備を行う地域自立支援センター「みち」、就労の練習の場となる「かかぽ」「とびらぼ」、適切な福祉サービスをご案内する相談支援事業所「ねっと」「げんてん」といった各施設は、地下鉄浄心駅から徒歩約5分から10分の場所に位置し、利用しやすい環境を整えています。
これらの公的サービスに加えて、メンタルヘルスやリカバリーについて学ぶ「リカバリーカレッジ名古屋」、ご家族同士の支え合いの場となる「家族会」、地域の方とボランティア活動に挑戦する「夢叶」、週1回1時間からの一般就労「ちょこジョブ」、地域課題について対等に対話をする「地域円卓会議」など、インフォーマルな活動も積極的に展開しています。公的サービスとインフォーマルサービスを組み合わせることで、より柔軟で温かみのある支援を実現し、ご本人が望む生活を実現できるよう全力でサポートしています。
共生社会の実現に向けた地域密着型の取り組み
一般社団法人しんでは、精神障害を持つ方が「患者としての役」「利用者としての役」以外にも、社会という舞台で様々な役割を演じられるよう応援しています。排斥でも同化でも棲み分けでもない、ともに「変化」し「受け入れ」ていく共生社会の実現を目指し、多様な生き方や価値観を受け入れられる豊かな地域づくりに取り組んでいます。2013年のボランティア団体設立以来、精神障害に関する意識調査、啓発映画上映会、スピーカーズビューロー、リカバリーストーリー展など、地域への啓発活動を継続的に実施してきました。
精神障害とは、様々な理由によりご本人と社会との「つながり」が障害されている状態であると考え、そのつながりを取り戻すために必要なのは病気の治療だけでなく、社会との「出会い・つながり」であるという信念のもと活動しています。制度やサービスにとらわれない柔軟なサポートを通じて、「地域で暮らしたい」「誰かと話したい」「働きたい」といった当たり前の願いを実現できるよう、地域とともに応援し続けています。
ご本人とご家族を支える継続的なサポート体制
当法人の支援は、ご本人だけでなくご家族との連携も大切にしています。ご家庭での様子やご家族の思いを丁寧に伺いながら、生活全体を見通した支援を提供し、日々の変化や課題を共有することで、ご家族が安心して見守れる環境を整えています。得意なことや好きなことを活かしたその人らしい自立生活を応援するため、ご本人の価値観や人生観に寄り添った個別の支援計画を作成し、希望する暮らし方や働き方、生き方の実現に向けて伴走します。
2012年の設立以来、名古屋市西区の地域に根ざした活動を続けてきた実績があり、地域の医療機関や福祉サービス、インフォーマルな社会資源との豊富なネットワークを活用しながら、包括的な支援を提供しています。体験や見学のご相談も随時受け付けており、実際のサービスを体感していただくことで、安心してご利用を開始していただける体制を整えています。ご質問やご要望がありましたら、お気軽にご連絡ください。
